第八十八番結願所大窪寺のスペシャルルート

 第八十八番結願所の大窪寺へは、通常は八十七番長尾寺からコミュニティバスか、その道路沿いの遍路道を辿りますが、最短で2時間、ゆっくり歩いて3~4時間あれば、大窪寺の北にそびえる山越えのルートを行けます。その頂上の女体山からは、高松市街や屋島、五剣山を見下ろせるだけでなく、青々とした瀬戸内海の島々も望むことができて絶景です。最終札所の思い出をより強く刻むことができるでしょう。

 今回は、大窪寺までコミュニティバスで行き、参拝したあとに背後の山を直登、女体山で絶景を眺め、前方の前山へ降りて帰路のバス停まで下るルートをご紹介します。

11:10 JR造田駅
11:12 さぬき市コミュニティバス 平日運賃200円
1200 大窪寺前到着
1220 大窪寺本堂にお参りして出発
12:23 奥の院への入り口から登っていく
12:28 こんな山道を登っていきます
12:34 15分頑張れば大窪寺近辺を見下ろす見晴台に着きます。
12:36 少し登れば奥の院への分岐があり、そこを右に折れて登っていきます
12:45 10分頑張って登れば、目指す尾根道と同じ標高に来ました。
12:53 尾根道の林道に着きました
林道を横切ってさらにあと5分最後の登りです。
12:57 女体山頂上の休憩所に着きました
そのすぐ先には女体山頂上の祠があり、その先の岩尾根からは瀬戸内海を展望できます。2月~3月の地上の蒸気の上がらない季節が霞がかからないので、海が真っ青に見えて、それはそれは絶景です。
屋島(第84番八島寺)も五剣山(第85番八栗寺)も、その間の屋島壇ノ浦の向こうには芸術島の豊島も見えています。
西方にはおむすび山のようなさぬき富士もちょこんと頭を出しています。
右前方には小豆島も見渡せます
13:05 さあ、この下の里まで下っていきます。先の方に見えるのが前山ダムで、その左に道の駅ながおがあります。
時間のある方はそこまで歩いて地元産品を買い求めて、2時間に1本のバスの時間を待つといいでしょう。
13:07 岩尾根の急こう配を数分降りて、降りてきた方を見返すと、その岩尾根はまるで龍の蛇腹のようです。なるほど、弘法大師様はここを登って八十八番に向かったのではないかと想像します。車道の遍路道だけ歩いているとわかりにくいのですが、この山越えルートで大窪寺に向かえば、やはりここは修験の道だと実感します。
この山道は谷なので椿がたくさん自生しています
13:17 尾根道から続く林道に合流し、また最短ルートの山道へ分岐します
13:23 ここが山道の終点で、ここからは林道を下っていきます。
13:29 香川大学農学部の研修所であった太郎兵衛館がありましたが、現在は廃館になっています。
14:41 林道を下っていくと昼寝城の入り口があります。ここは東香川を支配していた寒川氏の居城だったところで、険しい山の上に城を築いていたので難攻不落の城でした。しかし、戦国時代の四国の雄、長曾我部氏に攻められてついに落城しました。その時に寒川のお殿様は山上城の桜の大木の上で昼寝をしていたと言われ、「昼寝城」と呼ばれ、ふもとより少し早い季節に城山に咲く桜を「昼寝の桜」と呼んできたそうです。でも実際は、敵に攻められて桜の木の上に隠れようとしていただけだとも言われています。この入口から急傾斜の小山を10分登れば山上の城跡に登れます。気候がいい時にはビールをもっていって、山上から瀬戸内海を眺めながら桜の花見と洒落たいものです。
5分下った林道から昼寝城を見上げますが、桜の季節も十日間ほど過ぎてしまっただけではなく、植林された杉に侵食されて、桜の山だった昼寝城もだいぶがっかりな眺めになっています。
13:54 多和神社
13:56 とても懐かしい雰囲気の前山の里
14:08 大窪寺へ向かうバス道に出る。この道を200m下った場所に「山王バス停」があります。
14:16 大窪寺14時発で下ってきたコミュニティバスにぴったり乗車できました。また造田駅まで200円です。
13;35 JR造田駅着 11過ぎのスタートで約2時間半の駆け足登山ですが、八十八番札所で結願し、女体山の頂きで高松市街や瀬戸内海を見下ろす絶景を肴に缶ビール楽しめます。さらに行基が開いたという伝説の古窪(大窪寺の元々の場所)の地や、桜の名所の昼寝城、さらには時空を忘れさせる前山の里で春の花をめでながら、懐かしい風情を満喫できました。道の駅ながおでは地元産品を購入でき、向かいの遍路センターでのんびり帰りのバスを待つこともできます。是非、第八十八番大窪寺への隠れた遍路道をお試しください。
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